顔の中心部分にあり、表情を形作る大きな要素でもある口元は人にとって重要なものです。歯並びが良く美しい状態が保たれていれば、人と接する際に自信をもって接することができる一方で、歯が汚れていれば人と接するのすら億劫になってしまう人もいます。
歯の色の美しさを取り戻したい人にはホワイトニングがおすすめです。ホワイトニングの種類とその効果について紹介します。
歯を美しくする方法は様々あります。歯科矯正やホワイトニングがあげられますが、それらの方法を実行する前に、まずは歯が汚れてしまう原因をしっかりと把握することが重要です。歯が汚れてしまう原因を知り、対策を立てつつホワイトニングを実行すれば、より一層美しい歯を持続することができます。
歯が汚れてしまう原因のひとつは加齢です。歳を重ねると歯の表面を覆っているエナメル質が摩耗して薄くなっていきます。本来エナメル質は、半透明の白色物質なのですが、摩耗して薄くなっていくごとに、内側の象牙質が透けて見えるようになり、黄色に変色して見えるようになって、汚れて見えてしまいます。
コーヒーや紅茶などといった色素が含まれている物質を口に含むことによって色素が歯に沈着して汚れることも大きな原因です。これは捨て印による着色ともいわれており、コーヒーや紅茶をはじめ赤ワインにチョコレート、タバコ、バナナなどを口に含ませることによって、歯の表面を覆うぺクリルという物質にくっついておこります。
また、虫歯によって色素が沈着することもあります。虫歯が進行すると歯が黒色に変色するほか、虫歯によって神経が死ぬと歯が茶色く変色する可能性が高いです。このほか、抗生物質によって歯が変色することもあり、様々な理由によって歯は変色してしまいます。
ホワイトニングとは、歯の黄ばみを専用の薬剤を使用して白くすることです。歯を削ることなく白くすることができるので、歯の衰えることも少なく、透明感のある自然な色に仕上がります。ホワイトニングが始まったのは1989年のアメリカのことで、それ以前は歯の表面についた汚れを取ったり、かぶせ物をしたりする以外の方法がなかったため、非常に画期的な方法として受け入れられました。
ホワイトニングに使用する専用の薬剤は、歯のエナメル質に徐々に浸透していき、内部にある沈着した有機物の着色を分解する働きがあります。これによって色素が減り、歯が白く見えるという仕組みです。歯のクリーニングが歯の表面についている汚れを落としてきれいにして本来の色を取り戻すのに対して、ホワイトニングは歯の色そのものを白くします。
このことから、ホワイトニングを行う前には、ホワイトニングの薬剤をしっかりと歯に浸透させるために、クリーニングを行ってからホワイトニングを行うことが一般的です。
ホワイトニングにはいくつかの種類があり、そのひとつがオフィスホワイトニングです。オフィスホワイトニングとは、歯医者、クリニックで行うホワイトニングのことであり、即効性が非常に高いホワイトニングのひとつとされています。
歯の表面に高濃度の過酸化水素水を含む専用の薬剤を塗布して、漂白化を早めることができるとともに、専用のライトを照射して施術を行います。クリニックで専門家の指導のもとで施術を行い、施術を行う前のカウンセリングから始まり、歯のチェックにクリーニング、そしてホワイトニングのすべてを歯科医に任せることができるので、安心かつ簡単にホワイトニングをすることができる手段です。
オフィスホワイトニングの効果のレスポンスは、最も早いといわれています。1回の施術は1時間程度ですが、その施術のあとすぐにでも歯の白さを実感することができるほどです。効果には個人差がありますが、複数回行うことで歯の白さを持続させることもできます。
クリニックで行うオフィスホワイトニングとは異なり、自宅で行うことができるホワイトニングをホームホワイトニングと呼んでいます。ホームホワイトニングでは、クリニック・歯医者で歯の型を取り、ホワイトニング専用のマウスピースを作成することで行います。
作成したマウスピースに専用のホワイトニング剤を入れて、数時間装着して徐々に歯を白くしていく方法です。1日2時間ほど装着して行うものですが、自分の好きな時間帯に装着することができて、オフィスホワイトニングよりも刺激が少ないという点が特徴となります。
ホームホワイトニングの効果は、装着時間や個人の体質によって異なりますが、およそ2週間から1ヶ月ほどで効果が表れるとされています。オフィスホワイトニングよりもレスポンスが遅いといえます。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせた方法が、デュアルホワイトニングです。オフィスホワイトニングとホームホワイトニング両方のメリットを高めるとともに、デメリットを補うことができます。
ダブルホワイトニングとも呼ばれています。デュアルホワイトニングでは、まずオフィスホワイトニングを行って歯の白さを実感した後に、その効果を持続させるためにホームホワイトニングを行うというものです。オフィスホワイトニングによって、効果を十分に発揮させた後で、ホームホワイトニングで後戻りを防ぐという役割があります。
デュアルホワイトニングの効果のレスポンスは、オフィスホワイトニングの段階である程度実感することができますが、本格的な効果はおよそ2週間後に感じることができます。
歯科医の指導のもとで行うものではないホワイトニングのことを、セルフホワイトニングといいます。市販のステイン除去の作用が強い専用の歯磨き粉を使用して歯磨きをして行うほか、ホワイトペンを使用して行うホワイトニングのことを特にさします。
歯の内側に作用することは少ないので、効果はさほど大きくありません。あくまでもクリニックで行ったホワイトニングを持続させるために行う方法と考えることがおすすめです。セルフホワイトニングの効果がどれほどで表れるかは、どれだけステインが歯についているかによって異なるので、明確に期間をあげることは難しいです。
ホワイトニングは、歯を美しく見せるために非常に有効な手段ではありますが、だれでもいつでもできるというわけではありません。ホワイトニングができない人というものもいます。ホワイトニングができない人としては、ホワイトニングを行う箇所に虫歯やかぶせ物、詰め物がある人があげられます。
これらの人々は薬剤の作用が心配されるのでホワイトニングをおすすめできません。また授乳中や妊娠中の人、薬剤アレルギーのある人なども同じ理由でできません。そして、歯の成長が終わっていない人も、歯の成長に悪影響を与えるため、できない人に該当します。